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深夜、たった24時間で2回。空に何が起きていたのか

24時間に2回、というペース

朝と夜、同じ会社から2回、荷物が届いたらどう思うでしょうか。よほど急ぎの注文でもない限り、ちょっと驚くはずです。

実際にこれと似たことが、2026年8月25日から26日(日本時間)にかけて起きました。ただし届いたのは荷物ではなく、地球を回る機械です。

二つの発射場から、ほぼ同時進行で

アメリカの宇宙企業スペースXが、アメリカ国内2か所の発射場から「ファルコン9」ロケットを相次いで打ち上げ、合計56機の通信衛星「スターリンク」を軌道に投入したと報じられています。

2か所というのがポイントです。1つの発射場で準備・打ち上げ・後片付けをして、また次を打つのではありません。東と西、別の拠点がそれぞれ準備を進め、ほぼ入れ替わりで空へ送り出す。これは単発のイベントではなく、路線バスのダイヤに近い運用です。

なぜこんなに速く回せるのか

理由は単純で、ロケットの主要な部分(1段目)を使い捨てにせず、着地させて回収し、点検して再び使っているからです。飛行機が着陸したら整備してまた飛ぶのと同じ発想です。使い捨てなら毎回ゼロから作り直す必要がありますが、再利用なら「整備して次の便へ」で済みます。この仕組みが軌道に乗ると、打ち上げ間隔はどんどん詰まっていきます。

お金の話:単価が下がると増える

1回あたりの打ち上げコストが下がれば、同じ予算でより多くの衛星を運べます。個別の企業の株がどうこうという話ではなく、単純に「衛星インターネットのアンテナ1本あたりのコスト」に効いてくる部分です。打ち上げ回数が増えるほど、衛星網は広く・厚くなり、これまで電波の届きにくかった山間部や海上、飛行機の中などでの通信サービスが現実的な選択肢になっていきます。

実はこれ、通信網を広げる作業だった

ここまで読んで「なるほど、通信衛星の話か」と気づいた方もいるでしょう。今回運ばれた56機は、まさにその通信衛星「スターリンク」です。24時間で2回という打ち上げペースは、単なる記録更新ではなく、地球全体を覆う通信網を急ピッチで組み上げている証拠でもあります。

Starshipウォッチ的な視点

この連載枠では、こうした打ち上げ頻度の推移を定点観測しています。現在主力のファルコン9でこのペースなら、開発中のより大型の「Starship」が本格稼働した場合、1回でより多くの衛星を運べるようになり、さらに間隔が縮まる可能性があります。次に何機、何日おきに打ち上がるか——この数字の変化そのものが、通信インフラがどれだけ本気で広げられているかのバロメーターになります。

参考